口臭外来のカウンセリングで、先生にうかがったお話や、口臭に関する一般的な知識をご紹介します。
口臭にお悩みの方で、いろんな歯磨き粉やサプリメントなどを試されている方がいらっしゃると思います。
しかし、実はどれも一時的な効果しかなく、根本的に口臭を解消する方法ではありません。
口臭に関する知識として、少しでも悩んでいる方のお役に立てば幸いです。
口臭、10の原因
では口臭の原因についてご説明していきます。
まず知っていただきたいのは、口臭の種類には生理的な口臭や歯科領域や耳鼻科領域による疾患による口臭など、いくつか種類がありますが、約8割は口の中に原因があると言われています。
それ以外のものも含めて、主に5つ口臭の原因と考えられるものがあります。
- 口臭の原因・臭いガス
- 虫歯や歯周病
- ドライマウス・舌苔
- 膿栓(臭い玉)
- 緊張やストレス
- 喉や鼻の疾患
- 胃腸や肝臓などの内臓
- 女性ならではの口臭
- 幼児・子供の口臭
- 食べ物が原因の口臭
ひとつずつ順番にご紹介していきます!
1. 口臭の主な原因・臭いガスについて
ほとんどの場合、口臭は歯と歯茎の間や舌の上の細かいひだの間に潜んでいる『嫌気性菌』と呼ばれる最近が発するガスが原因となって起こります。
そのガスは、硫化水素やメチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどと呼ばれるもので、これが口臭の臭いの原因になっています。(火山噴火の時にでるような毒ガスの一種です)
また、嫌気性菌は酸素を嫌うため、酸素の届きにくい奥歯の方で繁殖が盛んになります。
2. 虫歯や歯周病
虫歯や歯周病は細菌が繁殖した結果、炎症を起こし歯茎や骨の状態が悪化して起こるものです。
虫歯や歯周病になってしまうのは、口腔内のケアが行き届いてないということに他なりませんが、虫歯や歯周病の人であれば必ず口臭を発しているかというと、実はそうではありません。
それは、虫歯菌(ミュータンス菌)と口臭の原因である嫌気性菌は種類の違う細菌だからです。
逆に普段歯磨きをしっかりしていて、歯医者さんに行っても「よく磨けていますね」と言われる人でも、口臭がある場合があります。私もそのパターンでした。
口臭が気になっていたので丁寧に歯磨きをしていたのですが、口臭はなくならず辛い思いもしました。
3. ドライマウス・舌苔
ドライマウスも口臭の原因になります。
このページの最後に詳しくご紹介しますが、口の中で常時殺菌作用を発揮するのは唾液だけです。唾液が多い人は口臭になりにくく、逆に唾液の少ない人は、嫌気性菌が繁殖しやすいため口臭になりやすいのは事実です。
舌の臭いは舌苔
丁寧に歯磨きをしたのに、まだ息が臭う…という場合は、もしかしたら舌に臭いが残っている可能性も考えられます。
鏡で舌を見てみると、少し白っぽくなっていることありませんか?これは舌苔(ぜったい)と言われていて、次のようなタンパク質が主成分の汚れです。
- 細菌の死骸
- 粘膜の古い細胞や白血球
このようなタンパク質を『嫌気性菌』が分解することで生じるガスが臭いのもとになっているのです。先ほどから共通していますが、これも唾液の量が少ないことによって起こる現象です。
口臭外来で聞いた舌苔の対策
歯ブラシで磨いたら舌の臭いは取れます。
これは簡単で効果はあるのですが、舌苔を除去するために歯ブラシで舌をこするのはおすすめはできません。理由は、歯ブラシで舌をこすると舌の上の細かいひだ(糸状乳頭)を傷つけてしまうからです。
また、舌苔は減らすことはできても、また出てきてしまいます。というのは、臭いの元となる細菌は舌だけでなく歯と歯の間や歯茎のすき間に存在しているからです。
朝起きた時の口臭
朝起きた時が一番口臭が強いと言われています。
臭いの原因はもちろん『嫌気性菌』なのですが、寝ている間は唾液の分泌量が著しく減ります。
そのため唾液による最近の殺菌効果も少なくなり、菌が食べかすやたんぱく質を分解し、その時にガスが発生します。
朝食をしっかりとり、唾液の分泌を促すことで、寝起きの口臭を軽減しましょう。
食べた後は唾液を口の中に残す方がよいので、朝食の前に歯磨きをし、食後はうがい程度にとどめておくのがおすすめです。
4. 膿栓(臭い玉)
歯磨きはちゃんとしていて虫歯はないはずなのに、こんなふうに感じることありませんか?
- 喉や鼻の奥にいやな臭いを感じることがある
- ツバを飲み込むと鼻からいやな臭いが抜ける感覚がある
これはもしかすると膿栓(のうせん)かもしれません。膿栓は臭い玉とも呼ばれています。
膿栓の原因
喉の奥にある扁桃腺(へんとうせん)には、そもそもウイルスや細菌を駆除し体内の侵入を防ぐという役割があります。
その扁桃腺に食べカスや粘液などが溜まって固まったものを膿栓と言います。
細菌から身を守るために、粘液や白血球などが扁桃腺から分泌されたものが膿栓となります。その細菌などの死骸を含むため、膿栓はイヤな臭いの原因です。
膿栓は誰にでもできるものなのです。冬は空気が乾燥しやすく、菌の繁殖も増えます。さらに口呼吸やドライマウスの方は膿栓ができやすいと言われています。
口臭外来で聞いた膿栓(臭い玉)の対処法
膿栓は綿棒などを使って自分で取り除くこともできますが、扁桃腺を傷つけてしまう恐れがあるためおすすめできません。
また、一度取れてもまたできてしまうため根本的な解決にはなりません。
なので、一番効果的なのは膿栓ができる原因となる食べカスをなくすことです。
うがいをすることが膿栓の根本的な解決につながります。
また、うがいは口の中を清潔に保つこともできますが、それだけでなく喉の細菌を洗い流すこともできるので効果的です。
鼻うがいも効果的です。
専用の薬品を使えば痛みもありませんし、単純に風邪の予防にもなるのでおすすめです。
5. 緊張やストレスが原因の口臭
緊張をすると喉が乾くという経験がある方は多いと思いますが、これは緊張することで交感神経が優位になり唾液が出なくなります。
ストレスを感じているときも同様です。
なるべく水分をとったり、一時的ではありますがガムを食べたりすることで唾液の分泌を促すことができます。
このとき、お茶や清涼飲料水ではなく、必ず水を飲むようにしてください。
お茶はカフェインが含まれていて利尿作用があります。なので、体内に水分として留まりにくい飲み物でもあります。また、清涼飲料水に含まれる糖分によって、菌の繁殖を促すこともあります。
6. 喉や鼻の疾患
- 副鼻腔炎(ふくびくうえん)
- 咽頭炎(いんとうえん)
- 喉頭炎(こうとうえん)
これらの炎症があると、口臭になることもあります。
よってできる膿が扁桃腺の方へ流れ付着すると、その中に含まれる菌が膿栓の原因になりやすいからです。
副鼻腔炎は蓄膿症(ちくのうしょう)とも呼ばれていて、アレルギー性の鼻炎や風邪などによって、細菌が繁殖することで起きる炎症です。
ただし、鼻炎のある方でも口臭がない場合もあるため、必ずしもこれらの炎症が口臭の原因になるとも限りません。
7. 胃腸や肝臓などの内臓疾患
口臭は胃に原因があると思われている方が非常に多いのですが、これは間違いです。
胃からではなく、どちらかというと腸が原因で口臭になることはあります。
胃から口臭は発しない
胃の入り口には噴門(ふんもん)というフタのようなものがあります。
食事をしていていると反射的に開くのですが、普段は閉じているため、口臭は胃からではなくそれ以外のところに原因があるのです。
先ほどもご紹介したように、口臭の8割は口の中にあると言われています。
腸が原因の口臭
腸が原因の口臭は、便秘によるものです。
先ほどご紹介した嫌気性菌は、大便の中に含まれているものと同じ菌です。そしてその嫌気性菌が発するガスがオナラです。
嫌気性菌の発するガスや臭いの成分が大腸で吸収され、身体中を巡って肺から息として発せられることで口臭になることもあります。
こちらのページでも便秘と口臭の関係についてご紹介しています。
口臭外来・バイオクリニック東京の無料カウンセリング体験談
8. 女性ならではの口臭
女性の生理中・妊娠時などにホルモンのバランスが変化すると口臭を発してしまうことがあります。
女性ホルモンの分泌が減ると、それに伴って唾液の量も少なくなる傾向にあります。なので、生理前や整理中、妊娠中、閉経後の口臭は、女性ならではのものと言えるでしょう。
ホルモンバランスの変化はコントロールが難しいところでもあるので、水をたくさん摂取したり、よく噛んで食事をとったり、と唾液の分泌を促すように心がけてみてください。
先ほどもご紹介したように、唾液の量を増やすのが一番の口臭対策です。
9. 幼児・子供の口臭
小さな子供でも口臭になってしまうことがあります。
唾液の分泌が少なくなる要因として、まず食生活などの生活習慣があります。噛む回数が少ないと唾液の分泌も減りますし、胃腸の善玉菌を増やすにはやはり和食の方が日本人の体に合っています。
また、朝食を取らずに家を出てしまうという、生活の方もいらっしゃるようですが、それでは唾液の分泌もますます少なくなってしまいます。
また、アレルギー性鼻炎などによって口呼吸が多くなってしまうと、口が感想しやすくなり唾液の殺菌力が効果を発揮できません。
特に小さな子供は無意識に口呼吸になってしまうこともあるので、耳鼻科などに行かれるのがよいでしょう。
10. 食べ物が原因の口臭
ニンニクやコーヒー、アルコールなど、食べ物や飲み物でも口臭が発生するのは誰もがご経験のあることだと思います。
ニンニクやネギ、ニラなどによる口臭
香りの強い食事は口の中に臭いが残るものもありますが、ニンニクなどは特に歯磨きをしても口臭が残ることがあります。
臭いの強い食べ物は、その成分が腸で吸収されて体内を巡って肺から行きとして吐き出されることも口臭の原因のひとつです。
アルコールによる口臭
アルコールも、しくみとしてはニラなどの同じです。
アルコールは肝臓で分解され、アセトアルデヒドという成分が発生します。そのアセトアルデヒドが体内を循環して、肺から息として吐き出されるというわけです。
コーヒーやタバコによる口臭
コーヒーに含まれるカフェインは、交感神経を優位にするため、いわゆる興奮状態になります。そうすると緊張しているときのように唾液の分泌が少なくなり、口臭を発生しやすくなります。
また、カフェインの利尿作用も体内に水分を留めない要因となるので、飲み過ぎには注意が必要です。
また、タバコも口の中を酸性にしやすいため、うがいをしたり水分を摂取して唾液の分泌を促すことに意識してみてください。
番外編:自臭症の可能性も
自臭症というのは、本当は臭くないけれども自分が臭いと思い込んでしまうことを言います。
こういった場合は、口臭外来の無料カウンセリングで精密機器による検査や先生に診断してもらうことで、臭いを発していないことを証明してもらえます。
そういった患者さんも多いようですが、無料カウンセリングで解決するため、悩みをお話されることをおすすめします。
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口の中で唯一殺菌力を発揮するものは唾液だけ
口の中で唯一殺菌力を発揮するものは、唾液だけです。
なので、いくら歯磨きで嫌気性菌を洗い流しても隙間に菌が潜んでいるため、唾液が少なければまた口臭を発してしまいます。
もちろん、綺麗に丁寧に歯磨きをすることは大切ですが、唾液が少ないままでは口臭の根本的な解決になっていないということをご理解ください。
参考記事:唾液を増やす方法
かなり長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただけた方ならおわかりいただけたと思います。
大切なのはその菌を一時的に減らすことではなく、常に増やさないようにすることです。
臭いの原因となる嫌気性菌を、常に少ない状態にとどめておくことができれば、口臭を抑えられるということです。
実は唾液にはすごい殺菌力があるのです。
唾液は臭いと思われている方も多いと思いますが、本来は唾液自体には臭いはないのです。しかし唾液の量が少ないと、細菌を十分殺菌できず臭いの元が唾液に溶け込んでしまうんです。
なので、口臭専門で治療をされているクリニックであれば、唾液を増やす治療と生活改善を指導してくれます。
その方法が口臭を解決する一番の近道となります。
こちらの記事でおすすめのクリニックをご紹介していますので、気になった方は是非ご覧ください。
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東京の口臭外来ランキングはこちらのページでご紹介していますので、是非参考にしてみてください。
少しでも早く口臭を無くして、快適で自身に溢れた人生を取り戻しましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。